私が小さい頃は、家にはおじいちゃんやおばあちゃん、大きい婆ちゃん(曾祖母さんのことをそう呼んでいたのですが)がいて、4世帯で住んでいました。
台所に立つ時は、お母さんと一緒だったり…
おばあちゃんと一緒だったりしたのですが、おばあちゃんの代表作というのがあって、それは【きゅうりの酢の物】だったんです。
農家だったので、夏には出荷出来ない曲がったきゅうりをスライサーでひたすら切るんですが、小さかった私には曲がっているきゅうりを同じように切るのが難しいんですよね。
ちょっと曲がっているだけならなんとかなるんですが、Uの字に曲がっているとちょっとした課題レベルです(笑)
持ち方を工夫したり、スライサーの刃の位置を変えてみたりして、すごく時間がかかっていたと思うんです。ちょっとだけ手を切ったりしてね。
でもアドバイスするでもなく、放っておいてくれました。
そのおかげで、私は【すごく曲がっているきゅうりは半分に切ってからスライサーにかける】という結論にたどり着いたのですが、こんな何でもない事を今でもはっきり覚えています。
一大仕事を終えた私のお手伝いは終了で、その後の味付けはおばあちゃん任せ。
ただ、きゅうりを切っただけ。
時間はかかるし、邪魔だったかもしれないけど、やらせてくれた。
今、多世帯で住んでいる家族は少なくて、お母さんの役割は多いし、キッチンも決して広くはないかもしれない。
一番はとにかく忙しくて、時間がない中で【子供のお手伝いをしたい】という気持ちを汲んであげたいけど時間も気持ちも余裕がない…というのが本当のところじゃないかな。
今までこども料理教室おむすびでは 、お子さんだけをお預かりしていましたが、これからの教室は親子で参加していただくことになります。
子供にとっては初めてのことが多いので、分からないなりに工夫して挑戦する姿を見守っていただきたいな、と思います。
レッスンの流れとしては、まずは工程表を一緒に読んでいきます。
その後に私がデモンストレーションした後に、それぞれで調理をスタートします。
手伝うというよりは、見守る。
スマホは手放して、子供を観察する時間にして欲しい。
良いところを、一つでも多く見つけて伝えてあげてください。
ご家庭に帰って、一緒にご飯を食べるときに他のご家族とも【見つけた良いところ】を共有して貰えたら嬉しいな。
手を切ることは、失敗じゃないし
焦げたりしても、失敗じゃない。
美味しく出来ることだけを成功にしないで欲しい。
本当の成功は、何かに気付いたり、見つけたりすることだと思うんです。